I   邸  (島 原)
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故郷に建てた憩いの家

故郷に建てた憩いの家

定年後は故郷に帰ろうという嬉しい決断をして下さった I 様。建てるのはご自身の実家があった場所です。敷地を見せていただくとそこには渾々と湧き出る泉がありました。これを見た時点で家のメインテーマは湧き水を最大限に活かした家と決まりました。その他にいただいたご要望はお琴の先生をされている奥様のお稽古場を作ること、ご実家の玄関に使われていたタイルをどこかに利用してほしいということでした。
遠方にお住まいの I 様と打合せをしていく中で、中庭のある家、その中庭に池を作ろうとアイディアがまとまっていきました。出来上がった家は中庭を中心にして玄関ホール、和室兼レッスン室、リビング&ダイニングそして寝室とつながります。

 

 
庭にはイロハモミジ、コバノズイナ、風知草などを植栽し、池のせせらぎを聞くとともに、四季折々に木々の変化を楽しめるように考えました。
お母様の思い出のタイルは昭和の雰囲気のある味わい深いものでしたので、中庭にデザイン的に配置しそれに合わせて池の造作もシックなグレーとしました。あふれ出る水はそのまま流れていきますが、排水路には黒い石を敷いて自然の趣をだしてみました。
自然の湧き水は清らかで、見ていると時間を忘れそうです。名水百選に選ばれた島原市でもなかなか実現できない空間となりました。

定年後に故郷に戻り実家に建てた家。こんこんと流れる湧水を活かして中庭に池を。実家で使われていたタイルをアクセントにデザインしています。